Muddy Foxレストア④ ペダルの分解と清掃とグリスアップ
前回からの続きです。本当に少しづつやってます。
今回はタイトル通りペダルの分解と清掃とグリスアップです。
組立時に玉当たりの調整もするのでオーバーホールと言ってもいいのかもしれませんが
そんなに大層なことでもないので分解清掃ぐらいで進めます。
早速取り外したものがこちら。
wellgoというブランドの「LU-926」というペダルです。
ケージはほんのり黄みがかったアルミ製のペダルです。
シャンパンゴールドというべきでしょうか。結構好きな色合いです。
サイズ的には愛用のMKS「MT-LITE」と同寸法ですがこのLU-926は微妙に上下があります。
ペダルの外側、ロゴも型番も削れて消えかけています。
まあ普通に乗っていればすぐに傷がつくところです。
上と下で突起のパターンが違います。
左側にはLの刻印があります。
大体ありますかね。
もちろん左側のシャフトは逆ネジです。
自転車を分解するとき、私は必ずペダルから外すのですが
初めて自転車をばらしたときこの逆ネジに結構やられた気がします。
自転車いじりの駆動部にちょいちょい出てくる逆ネジ。
BBのロックリングなんかもそうですね。
オートバイだとヤマハの左ミラーぐらいしかイメージなかったので結構困りました。
右側にはRの刻印です。
右側は正ネジです。
ケージの内側に型番の刻印がしてあります。
表面はプリントですがここは刻印です。
刻印あるだけでなんだろう、いいなって思います。
ケージの外側にリフレクターが付いています。
ここに付くリフレクターといえばキャットアイのアレしかありません。
うちの自転車で言えばMKSもVPもリフレクターは同じものです。
ただこのLU-926のリフレクターはネジ止めしてあります。
最初からそういう仕様なのかと思いましたがよくよく見てみると様子が違います。
本来差し込んで固定するだけのものだと思いますが前の持ち主が穴を明けてネジ止めしていたみたいです。
観察しているとネジや座金がありあわせのものを使ったのが見て取れました。
こういう創意工夫はとてもいいなと思います。
リフレクターを外すとケージを留めているボルトが出てきます。
結構錆びてますね。気にしませんが。
ここを外すとケージが本体から外れます。
これで、本体、ケージ、リフレクターに分けられました。
ここからはベアリングを入っているシャフトの部分を分解していきます。
本体の外側にめくら蓋がしてあります。
マイナスドライバーなどでこじってもいいですが私は千枚通しでやります。
たこ焼きひっくり返すのと同じ要領です。
蓋を外すとナットが出てきます。
ここは10mmのナットで止まっています。
少し深いところにあるのでボックスレンチを使います。
ただそのまま回してもシャフトが供回りしてしまうので
シャフトの反対側を押さえてあげる必要があります。
ペダルを外すときにスパナをかけるところを15mmのスパナで掴んで
10mmのボックスレンチで回します。
ここは左右どちらも正ネジです。
シャフト内側にはこのようなパッキンが付いていますがかなりくたびれています。
ゴム製のものですがひっぱると千切れそうな感じであまり役に立っていないような気がします。
今まで気にしたことがないので他のペダルにはあまり付いていないのかもしれません。
取ってしまってもいいのかもしれませんがそのままいきます。
ナットを外すとベロ付きワッシャーが出てきます。
自転車駆動部にたびたび出てくるカップアンドコーン。
カップアンドコーンにはこのベロ付きワッシャーもたびたび出てきます。
ちゃんと意味はあります。
これはハマっているだけなのでラジオペンチやピンセットで持ち上げると簡単に取れます。
ベロ付きワッシャーを外すと玉押しのナットが現れます。
ここの締め込み具合でベアリングを玉当たりを調整しています。
ここも軽く締まっているだけなのでラジオペンチでもピンセットでもマイナスドライバーでも
なんでもいいので回してあげるとするする回ります。
玉押しを外すとその下からベアリングが現れます。
古いグリスがニチャニチャしていますがまあこんなもんでしょう。
中古の車体で雨ざらしだったりするとここのグリスが無くなっていたりするんでしょうか。
私はみたことありませんが、ここのグリスがない状態で乗っているとサビが回ってベアリングの玉も受けも摩耗してしまいます。
24年前のものと考えればニチャニチャでもグリスが残っていれば良い状態だと思います。
玉押しを外すとシャフトはそのまま抜けます。
抜く前にベアリングの数を数えてメモしておくと良いです。
外側と内側で玉の数が違うものも見たことがあります。
基本的には同じかずだけ入ってるはずです。
ちなみにこのLU-926には内側外側それぞれ13個づつ入っていました。
とても小さい仁丹ぐらいのサイズのものでした。
私が見た中では最小です。
ちなみにシャフトは簡単に抜けますがベアリング球もバラバラと落ちてくるので注意して抜きましょう。ここでよくあるのがシャフトに付着したグリスに玉が付いていて、それに気が付かず球を紛失するというパターンです。気をつけましょう。
下にトレーやウエスなんかで受けるのが良いと思います。
そのあと洗浄することも踏まえて私はトレーの上にウエスを敷いて全部を置きます。
ペダル片側を分解した全部品です。
シャフト、玉押し、ベアリング球はパーツクリーナーで洗浄します。
本体、ケージはコンパウンドで磨きました。
どうせ踏んづけるところなのでぼちぼち磨く程度でオッケーです。
性格がでるところです。レストアとか言いつつ私はテキトーです。
掃除が完了したら組み付けです。
シャフトには新しくグリスを塗ります。
人それぞれだと思いますが私はたっぷり塗ります。
グリスを盛るときにこういう小さいグリスガンがあると便利です。
私はここにホームセンターで売っている安いグリスをしこたま入れて使ってます。
デュラグリスもあるのですがガンに詰めるのもめんどくさいので結局安いグリスをよく使います。
違いはよくわかりませんが、デュラグリスの方が流れにくいような気もします。
あと色がキレイです。そんぐらいです。
で、ここから手がニチャニチャになるので写真がありません。
ペダル組み付けの一応の難所である玉当たり調整ですが
私のポイントとしては「ガタがでないほどほどのところで仕上げる」ってことかなと思います。
スルスルで仕上げると物によって(特にあまり作りのよくないもの)は割とすぐにガタが出ます。
ガタが出るとまた分解して調整しなくてはならんので、そういうめんどくさいことにならんために私はやや渋いぐらいで良しとします。走りに影響するほどデリケートじゃないもんで。気にする人は気にしてくださいね。
左側が作業後のもの。
右側が作業前のものです。
磨きがテキトーなのもあってかあまり違いがわかりませんが
シャフトを回せば違いはわかります。
長いことほったらかしだったものであれば結構違いはわかると思いますが
明らかな不満がない状態でやっても乗ってしまえばあまり違いはわからないかもなって思います。
少しづつ作業したので、日にちを変えてもう片側もやりました。
うん。きれいですね。
アラヤのカタログによるとこのペダルは純正オプションでも設定があるみたいです。
その場合だとMTRペダルという名前になっています。
マウンテントレイルという意味でしょうか?マルチトレッキング?
そしてチタンカラーということになっています。
言われてみればチタンカラーかなという気もします。何にせよ良い色です。
ちなみにカタログの画像だとリフレクターは付いていません。
アラヤは今でもカタログが公式サイトで見れるのでとても良いです。
ラインナップも今見るととっても魅力的なものや実験的なものもあるのでなかなか見ごたえがあります。
ペダルの整備はこれでおしまいとします。
踏み面に上下があるペダルは個人的にあまり好きじゃないですが
どちらでもそれなりに踏み心地は変わらなさそうですがどうなんでしょう。
乗れるようになるのはもう少し先ですが楽しみです。
マディフォックスのレストア作業はまだまだ続きます。